フィリピン・バコロド:飛行機での「縁」が教えてくれた、人と繋がる旅の本質
サマル島での野生的な冒険を終え、ダバオに戻った私たち。次なる目的地をどこにするか考えていた時、ある男性の顔が浮かんだ。 それはフィリピン初日、マカオからダバオへ向かう飛行機の中で隣り合わせたRemy(レミー)さんだ。日本の会社と取引があり、何度も日本へ行ったことがあるという彼は、別れ際に「機会があればぜひ、私の住むバコロドへ遊びに来てくれ」とFacebookの連絡先を教えてくれていた。 「これも何かの縁。本当に行っちゃいましょうか!」 好奇心に従い、私たちはRemyさんに連絡を入れ、バコロド行きのチケットを手にした。 予期せぬ再会と、衝撃の「繋がり」 バコロドの空港に着くと、Remyさんは奥さんと息子さんと一緒に迎えに来てくれていた。 「お腹空いたでしょ?」 そう言って連れて行ってくれたのは、地元で有名だという焼き鳥(イナサル)の店。香ばしく焼かれた山盛りの鶏肉とビールを楽しみながら語り合っていると、驚くべき事実が発覚した。 なんと、Remyさんの奥さんは、かつて私が住んでいた日本の地方都市で働いていたというのだ。「え、あそこで!?」と、異国の地で共通のローカルな話題で盛り上がる。世界は広いと思っていたけれど、同時にこんなにも密接に繋がっている。その不思議な縁に、私たちはただただ圧倒された。 年齢を超えた「人生の楽しみ方」 翌日は、Remyさんが行きつけの日本料理屋へ。その後、友人たちが集まるバーが立ち並ぶ歓楽街へと繰り出した。 ウイスキーを傾けていると、Remyさんの仲間たちが次々と集まってくる。彼らはおそらく60代から70代。けれど、誰もが驚くほど若々しく、仲間と語らい、音楽を楽しみ、今という瞬間を全力で謳歌していた。 海外の旅の素晴らしいところは、年齢の壁を越えて、すぐに心の距離を縮められることだ。Remyさんの仲間たちの中に混じり、笑い合っているうちに、私の中にあった「年齢相応の生き方」という固定観念が、心地よく崩れていくのを感じた。 観光では見えない「生きた声」 旅をしたところで価値観なんて変わらない、という意見も確かにある。 有名な観光地を回り、高級なレストランで食事をするだけの「点」の移動であれば、そうかもしれない。けれど、現地の人々と対話し、彼らの考え方や暮らしの哲学に触れることは、必ず心に何らかの変化をもたらす。 Remyさんとはその後も連絡を取り合い、日本での仕事を少し手伝ったりもした。こうした一過性ではない繋がりこそが、単なる「景色」だった場所を、自分にとって「大切な思い出の地」へと変えてくれるのだ。 旅は、心を豊かにするプロセス 人々との出会いは、何ものにも代えがたい財産だ。 現地の人たちの生きた声を聞くことで、自分の知らない世界の広さを知り、同時に自分の生き方を問い直すきっかけをもたらしてくれる。 バコロドでの日々は、私たちに「旅の本当の魅力」を再認識させてくれた。 これからもporterraと共に、私たちは世界中の「縁」を探しに、まだ見ぬ地へ一歩を踏み出し続けていきたい。