【旅ブログ】グアテマラ|Ayumi

【旅ブログ】グアテマラ|Ayumi 2021.04 

旅の動機

 

 元々スペイン語の勉強を少しづつしていて、グアテマラ·アンティグアがスペイン語のプライベートレッスンが格安で受講できるという情報を見つけ、グアテマラに2か月行くことに決めました。レッスンの傍ら、グアテマラ津々浦々探索しました。

Episode.1

人間も自然の一部

 

ーーグアテマラには火山があるそうですね。

Ayumi:はい、グアテマラには有名な観光名所の一つとしてアカテナンゴ山があります。頂上からのフエゴ火山噴火を見るために、2日間に分けて、およそ10カ国から集まったツアー客と共に、出発地点から頂上まで9時間のハイキングに挑みました。


ーー10ヶ国もの国々から集まっていたんですか?それは面白い出会いがありそうですね!

Ayumi:ツアー参加者のバックグラウンドは本当に様々で、登山中も話に花が咲きました。

コロナの閉塞感の上に息が詰まる弁護士の仕事でプライベートがなくなり、自分のバランスを取り戻すために、南米に飛んできたスウェーデンの女性。コロナで勤める飲食店が長い間閉鎖になり、自粛期間中に自身の情熱であるヨガの先生になる夢を志し、講師養成のトレーニングに来たフランスの女性。大学で教鞭をとる傍ら、コロナ自粛期間中自身が趣味で作ってきたインスタグラムの料理アカウントが評判になり、それが地元グアテマラシティのテレビ局のプロデューサーの目に留まり、ニュース番組で料理コーナーを持つことになったパナマ人の男性など。

みんなコロナの中、悲観にくれるのではなく、自分の人生を自分で切り開いていこうとする力強さに心を打たれました。


ーーそういう方達って一緒にいるだけでパワーをもらえますよね!

Ayumi:さらに、登頂後に見た火山の噴火も壮大で本当に美しくかったんです。夜の噴火の様子は、まるで赤い宝石が空に散りばめられたかのようでした。それと共に聞こえる轟音、感じる地鳴りも合わさって、全身で「私達は地球に生かされている」と感じさせられました。どう足掻いてもコントロールできない大自然に私達はただその流れに従うしかないのだなと改めて思わされました。


ーーよくある言葉かもしれませんが、自然の大きさが時に私たちが抱えている悩みの小ささに気づかせてくれて、気持ちが楽になることってありますよね。

Ayumi:はい。私もその光景を見ながらふと自分の日常生活のことを想いました。仕事、家族、恋人···日常抱える問題の8割方が人間関係の問題であり、これらに対して生じる、焦燥感、いらだち等の感情は「コントロールしたいのに、なぜできない」という心情から生まれるものだと。

他人の心など自然と同じくらいコントロール不可能なのに、なぜ私達はコントロールしようとし、自ら生み出した葛藤に苛まれているのだろう?と。雲の動き、風の音、葉の色の移り変わりなどがコントロール不可能なように、人間の動き、言動、気持ちの移り変わりも同レベルでコントロール不可能で、自然を見る時と同じようなフラットな気持ちで、これらを見るべきなのだと思いました。

そして他人の一挙一動が自分に影響を及ぼしそうになった時は、雨が降ったら傘をさすイメージで、自分をガードし雨が止むのを待ったらいい。「人間も自然の一部」なのだと気持ちを整理することができました。 

 

Episode.2

セマナサンタ祭で見つけた光

 

ーー旅中にお祭りがあったのはラッキーでしたね!

Ayumi:グアテマラにはセマナサンタという祭典が3月下旬にあります。これはキリストの生誕祭で、この祭典の目玉の一つが日本語で”絨毯”を意味する”アルフォンブラ”です。

これはただの絨毯ではなく、色とりどりの木屑や花、パンなどで一から作られます。高い技術が必要とされるのですが、それぞれ一般家庭によって作られているらしいです。

この技術は各家庭で代々子供たちに継承されているらしいのですが、グアテマラの人々は「子どもたちは国の未来を創る光」だと言います。それはスペイン語の「出産する」を意味する「Dar a luz (光を(世の中に)与える)」という言葉にも表れています。初めて聞いた時、本当に美しい言葉だと感動しました。


ーー本当に素敵な言葉ですし、過疎化や人口減少で文化の継承が一部で途絶えてしまっている日本のことを改めて考えさせられますね。

Ayumi:私もこの話を聞いて、日本の未来を担う子供たちの事を想いました。

私達の国の未来を創る光である、彼らのために私達に何ができるのか。私は海外に出て約8年になりますが、私は年々日本への愛が強くなっていくのを感じています。良いところを挙げたらきりがないが、ここまで人と人との思いやりでできている国は唯一無二だと断言できます。そして海外で自分が日本人だと言うと、ほぼ全ての人が文化への憧れ·助け合いの精神への尊敬の念を示してくれ、同じ日本人が日本の将来を嘆いている姿を見ると、非常に心が痛みます。

私は「言霊」を信じており、私達が嘆けば嘆くほど、私達が守るべき「光」の輝きも衰えさせてしまう気がして仕方がないです。大切な私達の「光」を育てるために、何ができるだろう。「どうせ一人が動いたところで日本は変わらない」と諦めてしまったら、子供達に何も残すことができません。官僚が悪い、政治家が悪い、金融機関が悪い、社長達が悪い、あの人が悪い、と責任転嫁し続けることも何か彼らに残すことができるとは考えられないです。

大きなことを成し遂げる必要はないと思います。ただ私達が生き生きとした姿を見せることが、子どもたちにとって一番の財産となるのではないかと私は考えます。私達の国の財産である「人と人との思いやり」を忘れず、周りのせいにせず自ら人生を切り開いていこうとする姿勢。確かに社会的·経済的に暗いニュースは多いですが、多くの国を見てきて心から思うことは、日本ほど生活基盤が安定していて、チャンスにも恵まれている国は本当に稀有だということです。

私達はもう一度、そのことについて考えるべきなのではないかと思います。「何がないか」ではなく、「何があるか」を見つめ、主体的に人生を築いていく姿勢。その姿勢をもつ大人が周りに増えれば増えるほど、子どもたちも自らの光を強めていけるのだと思いました。

 

Episode.3

人生初のパラグライディング

 

ーー他にはどのような場所に行かれましたか。

Ayumi:グアテマラの有名な観光名所の一つに、「アティトラン湖」があります。高くそびえ立つ火山に囲まれたコバルトブルーの湖は、その美しさで世界中のトラベラーを魅了し続けていて、約84,000年前の噴火によりできたカルデラ湖は深さは341メートルもあり、中央アメリカで最も深い湖です。

湖の周りにそびえ立つ山々は、シンメトリーで本当に美しく、まるで湖を守る神々のように思えました。そして風向きによって色合いが変わる湖の美しいブルー。湖の周りに形成された、極彩色の民族衣装を纏った原住民の人々が住む村々。全てが神秘的で、私は一瞬でこの湖の虜になってしまいました。


ーー世界の絶景といわれるところって、実際にその場所に立ち自分自身の五感で感じると本当に感動しますよね!

Ayumi:その神秘的な環境の中であることが閃きました。すぐに携帯に保存してある”死ぬまでにしたいことリスト”を開き、そのうちのひとつに「とんでもなく美しい場所でパラグライディングをする」というものがあるのですが「ここでやるしかない」と即決断しました。10分後にはもう予約の電話を入れていました。


ーー10分後には予約って、それほどに心動かす光景だったのですね!

Ayumi:パラグライディング当日の朝、グアテマラ居住歴20年のドイツ人ガイドが私を迎えてくれ、他の参加者と共にバスに乗り込み、飛行地点まで出発しました。この間、ガイドの彼と深く話すことができたのですが、彼の名前はクリスチャン。ドイツ人の父親とグアテマラ人の母親の間に生まれ、ドイツで生まれ育ったが、何度も幼少時代からグアテマラを訪ねていたとのこと。毎回来る度にグアテマラの美しさに魅了され、大学を卒業したら移住する、と大学2年生の時に決意したそうです。

そして、職もないまま、彼は卒業後すぐグアテマラに一人渡ったという。この時のことを振り返って、彼は自分自身を”世界一バカな男だと思ったが、とんでもなく幸せに包まれていた”と語っていました。そして、ツテを使ってグアテマラ雑貨の輸出ビジネスを営み始めたと同時に、パラグライディングに情熱を燃やすようになり、その後色々な人から「パラグライディングを教えてくれないか」と頼まれるようになったため、思いきって10年前に起業したそうです。「情熱でしか走ってこなかったけど、なんとかなるもんだね」と話しながらけらけら笑う彼を見て、とても感動しました。その満面の笑顔で、彼がどれだけ幸せか、全て理解できた気がしたんです。


ーーそうやって人生を思いっきり生きている人ってすごく魅力的ですよね。そんな人の周りには自然と人が集まって困っている時には必ず助けてくれる気がします。やっぱり人生は勇気を持って自分の好きなように生きるべきですね!

Ayumi:私も必ず”死ぬまでしたいことリスト”を全てしたいと改めて思いました。そして、その一つであるパラグライディングですが、飛行地点に到着しバスを降りるとそこは高さ約1000メートルの崖の上でした。クリスチャンと私がペアになり、一番最初に飛ぶことになったのですが、その高さにびびっている最中だっていうのに、「この日は風が予想より弱いから、パラグライディングの風力をつけるため、全速力で駆けようぜ!」と彼から指示され、「冗談でしょ?」って聞き返そうとしたんですが、彼の顔を見ると冗談ではないことがわかり諦めました笑。


ーーもうそうなったら身を任せるしかないですね笑。

Ayumi:2人で飛行前の確認事項を終え、いよいよその時が来ました。トップバッターのため、他のツアー客からたくさんスペイン語で歓声をもらったのですが、意味もわからないそのスペイン語の響きを聞いていると何故か一気にやる気がこみ上げてきました。まさに情熱の国の言葉ですね。

そしてクリスチャンが私に「僕を信じてと全速力で駆けて。10秒勇気出せば、素晴らしい光景が待ってるよ」と言い、この言葉で私の中に火がつきました。崖の一点を見つめ、無心で駆け出したのですが、崖の淵にきてもパラグライダーに風が入る気配がしませんでした。

でもクリスチャンを信じ、とにかく駆けて淵の一歩手前に来た瞬間、身体が無重力になるのを感じました。下を見て、あの美しいアティトラン湖を一望したのですが、本当に美しかったです。額縁をつけてこの風景を今すぐ絵画にしたいと思わず思いました。


ーーそれは気持ちいいでしょうね!

Ayumi:その光景を見ながら感動してた矢先、なぜかそこで「映画『ET』で崖から自転車で飛ぶ瞬間ってこんな気持ちかぁ」と思考が路地裏に入り始めたんですが、飛行に集中し直し、自分でパラグライディングを操作し始めました。自分で自由自在に空を飛んでいる!なんという全能感だろう!下から見ていてあんなに壮大に見えていた山々と湖が、私の手のひらサイズであることに終始感動していました。あっという間に30分の飛行が終わり、無事に着地しました。

その後、クリスチャンと飛行後の興奮に酔いしれた後、帰路につき、その途中の屋台で一人グアテマラビールを達成感と共に味わっていた時にふと「ああ、一瞬の勇気ですごい世界を見たなぁ。」と感慨深く思いました。

そして、自分の今までの人生を一人振り返り始めました。日本を離れ、アメリカで生活を決意した瞬間のこと。国際結婚がうまくいかず、日本に帰ろうと思ったが、一人で異国で生き抜く経験をしたい、と決意した瞬間のこと。その後辛いことが何回も私を襲い、めそめそ泣いていた時が続いたが、ある日「絶対ここからのし上がってやる」と決意した瞬間のこと。ずっとスペイン語に魅せられていて、コロナの最中だったが思い切ってグアテマラ行きを決意した瞬間のこと。これらの瞬間の勇気を重ねる度に、私は一回りずつ大きな世界を見ることができました。

人間的にも一回りずつ余裕が出てきて、生きることが益々楽しくなっていったんです。違う世界を見たいと思ったら、自分の習慣や価値観を変えないといけない。その際は、大抵何らかのリスクを受け入れないといけない。リスクは誰でも怖い。生物学的にも、人間は普段と違うことをしようとすると「もし~したらどうしよう」と防御本能を働かせ、なるべく失うものが少ないように行動を制限するようプログラミングされているらしいです。

そしてリスクをとらせないために「仕事がもう少し落ち着いたら」「お金がもう少し貯まったら」「周りに同じようなことをしている人はいないから」と脳はリスク回避パターンに私達を誘導します。

1000メートルの目標を最初から飛ぶのは難しいかもしれない。だったら10メートルの目標から飛んでみたらいいと思います。10メートルだったら、リスクは小さい。そして挑戦してみて楽しくなったら、30メートル、50メートル、と高度を少しづつ上げていけばいい。

小さな勇気を出す瞬間を重ねていくごとに、自分の視野の高度も高くなり、「あぁ、あんなにびびってたけど、意外と小さいことだったんだ」と思えるようになっていったと、自分の経験を振り返って思いました。

 


旅人プロフィール

Ayumi

アメリカ在住歴約8年、現在シカゴ在住。幼いころから旅行好きの両親に連れられ、様々な国を練り歩き、「多様性」の美しさに魅了される。座右の銘は「生きるということは呼吸することではない、行動することだ」。現在、自身のゆるい絵と海外での生活·旅模様を記したブログをゆるく展開中。

私にとって旅とは

”人生のデトックス”

 

旅に出る度に、自分が住んでいた土地で抱えていた悩みや葛藤が嘘みたいに消えて、代わりに旅で巡り合った場所や人からの学びが水のように自分のマインドを潤してくれる。様々な人の生き方を知れば知るほど、自分らしく生きることに勇気をもらえ、自分という存在がどんどん新陳代謝していくように感じます。

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